株主優待とは、株主に対して企業から何らかのサービスを提供するなどの優待をすることです。具体的には、持ち株数に応じて、自社製品や優待券、サービスなどを提供するものです。株主優待は、企業が任意に実施または不実施を決めることができます。この制度は日本独自の制度で、海外にはあまりありません。現在、上場企業のうち約990社程度が株主優待を実施しています。
株主優待を実施している企業の業種は、「小売業」「サービス」「食品」「外食」「運輸」などが多く、株主優待の内容としては、食品業界では自社製品、それ以外では買い物優待券・食事券・乗車券・招待券などが多いようです。また、消費者と直接接点がないような企業では、お米やふるさと小包、地元の特産品などを提供していることもあります。さらに、株主限定のオリジナル優待品を用意している企業もあります。
株主優待をもらうためには、「割当基準日」までに株式の名義書換の手続きを済ませておく必要があります。「割当基準日」とは、株主優待を受ける株主を決める日のことです。株主名簿を締めるタイミングの関係で、割当基準日を決算日と同日に設定している企業が多く、3月決算の企業では3月末日となっている例が多くあります。中間配当がある企業では、9月末日も割当基準日となっているケースもあります。ただし、割当基準日に株式購入の注文を出しても株主優待を受けることはできませんので、ご注意ください。