株式会社中央経営コンサルティング
2001.11.17
■■今月の日経新聞より
住宅金融公庫の廃止って何? 
 住宅金融公庫(以下、公庫)は1950年に住宅取得促進のために全額政府出資の特殊法人として設立されました。公庫は政府から借り入れたお金をもとに、長期間、低い固定金利で融資をします。しかし、公庫の融資が住宅ローン市場の4割占めているため、「官業による民業圧迫だ」と銀行側が主張しています。一部の民間金融機関では、公庫と同じ水準の低金利で長期固定の住宅ローンを提供していますが、大半は固定金利だと高めで、低めの変動金利では金利上昇時のリスクがあるなど、公庫融資に比べて不利といえます。しかしながら、その場合にでも政府が利子補給をするなどの対策をとれば、借り手の負担増を抑えることができます。ここにきて小泉首相が5年以内に公庫を廃止する考えを表明し、国土交通省も受け入れて廃止が固まりました。
■■今月の金融商品
純金(ゴールド)積み立て
 テロ事件以来、有事の「金」が注目を集めています。通貨の価値はインフレになったら下がりますし、燃えてしまったらゼロになってしまいます。でも、金はそのものに価値があるのが特徴で、燃えません。ただし、過去の相場からみてもあまり値上がり益を期待して買うというものではないようです。女性の場合、ジュエリーにしたり、金貨として持つことを楽しみとしているケースがよくあります。純金積立とは、毎月の購入金額の中から毎日一定額ずつ金を買い付け積立てていく方法で、毎月3000円以上1000円単位で申し込めます。また、金の購入代金1000円につき25円の購入手数料がかかったり、年会費が必要なことがあるので、取り扱い先での確認が必要です。なお、価格変動リスクと為替リスクがあり、利息はつかないので注意しましょう。
■■今月のマネー雑誌より
地震保険の保険料が引き下げに!
 地震保険の保険料が改定されました。地震保険は公的な性格が強いこともあり、条件・保険料とも各社共通で、保険金の支払いが一定額を超えると、その一部は国が負担するしくみになっています。今回の改定では、木造向けの基本保険料が約17%安くなりました。また、建物の耐震性に応じて基本保険料を割り引く新制度も導入されました。耐震性の最も高い等級3の建物で30%、等級2で20%、等級1で10%の割引となります。なお、この耐震性は国の基準によります。
■■今月の相談110番
.今年(平成13年)、住宅を購入しました。その際に、父親から500万円の住宅資金援助をもらいました。また、住宅ローンを2000万円借りました。申告の必要はありますか?

はい、申告してください。まず、500万円の資金援助については、一定の条件を満たせば、親からの住宅取得資金贈与の特例が使えますので贈与税はかかりません。しかし、この特例を適応させるには税金がかからなくても申告が必要です。贈与の申告期間は翌年(平成14年)の2月1日〜3月15日までです。申告を忘れると、通常の贈与税の適用になってしまうので注意してください。 また、2000万円の借入(ローン)については住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)の対象になりますので、所得税の確定申告が必要です。今年6月30日までに入居した場合と7月1日以降の入居の場合には控除の内容が異なりますので、確認しておきましょう。

平成13年6月30日までに入居

平成13年7月1日以降に入居

1〜6年

7〜11年

12〜15年

年末残高×1%

(最高50万円)

年末残高×1%

(最高50万円)

年末残高×0.75

(最高375,000円)

年末残高×0.5

(最高25万円)

所得税の確定申告の期間は翌年の2月15日〜3月15日です。ただし、還付申告については1月1日から受けつけています。